【2020 – 2021年版】タイヤのスペシャリストがオールシーズンタイヤを解説!選び方とおすすめを紹介!

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ここ数年、都市部でも雪の降る日が目立っています。年に数回でも、「雪」はドライバーにとって本当に困ります

天気予報で雪マーク⛄が出ると、今年は冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)を購入しないといけないか。タイヤの保管場所もサマータイヤとセットで購入したらコストも倍近くになるに違いない。でも雪道で万一のこともあるし、と悩んでしまうものです。

春夏秋冬。4シーズン通じて使えるタイヤはあるのだろうか?そこで今回は、日本でも注目度が高まりつつあるオールシーズンタイヤをご紹介します。

オールシーズンタイヤとは?

夏タイヤ(ノーマルタイヤ)と冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)のちょうど中間で、四季を通じて、夏季のドライ・ウエット路面から冬季の軽微な雪道まで走行できる、路面コンディションに左右されないオールラウンドな全天候型タイヤです。
泥濘地や浅雪路面に対応することを表す「M+S」(マッド&スノー)表記があります。

2000年以降には、より高いウィンター性能が求められるようになり、M+S」(マッド&スノー)表記に加えて冬用タイヤの証である「スノーフレークマーク」がサイドウォールに刻印されています。
この刻印があるタイヤは、高速道路等の冬タイヤ規制をクリアし、チェーンを装着しなくても走行が可能になります。(全車チェーン規制区間除く)

M+S(マッド&スノー)表記とスノーフレークマークのサンプル画像

オールシーズンタイヤを選ぶポイント

冬タイヤとして選ぶ

オールシーズンタイヤにはM+Sの刻印表記に加え「スノーフレークマーク」の刻印が追加されている製品があります。最近、欧州で冬用タイヤとして認証されたスノーフレークマークが付いた輸入車を見かけることがあります。このマーク(刻印)は、形状から「スリーピースマウンテン・スノーフレークマーク(3PMSF)」と呼ばれています。ただスノーフレークマークの刻印があっても高速道路などでの「チェーン規制」には適合していません。M+Sタイヤ同様「冬用タイヤ規制」のみ通行可能となるので注意が必要です。

高速道路の走行について

・全車チェーン規制

チェーンの装着が必要です。
いかなるタイヤ(スタッドレスタイヤ含む)もチェーン装着が必要となります。全車チェーン規制に備えチェーンを携行ください。

・冬用タイヤ規制

チェーン無しで走行が可能です。
乾燥路面と同様の性能を保証するものではありません。速度等、雪道での運転には十分ご注意ください。

普段は雪が降ることの少ない都心で突然の雪に出会っても、オールシーズンタイヤなら軽微な雪道なら走行できるので、あわてる必要がなくなります。また、降雪地域においても、冬シーズン直前直後の思いがけない降雪時に安心感があります。
ただし、スタッドレスタイヤと異なり、氷上が苦手です。事前にホームページやカタログなどで雪上と氷上グリップ性能をチェックし、お住いの地域・使用目的・予算などを考慮して、ホイール・タイヤ専門店で選ぶことがポイントです。

凍結した路面には対応しておらず、サマータイヤよりは多少グリップする程度です。イメージ的に雪が大丈夫なら、と思いがちですが凍結はまた別です。「アイスバーン」というキーワードに注目してご確認ください。

夏タイヤとして選ぶ

夏タイヤ(ノーマルタイヤ)は、燃費を向上させるために路面との摩擦を抑えて転がり抵抗を少なくしています。反面、摩擦の少ない雪道や凍結した路面ではグリップ力が弱まってしまい、スリップする確率が高くなります。

オールシーズンタイヤの特徴は、夏タイヤよりも雪上性能が高く、スタッドレスタイヤよりもドライ路面でも快適な乗り心地・静粛性に優れたドライハンドリング性能に優れています。オールシーズンタイヤも各メーカー性能にはばらつきがあります。使用環境に合わせた選択がポイントです。

突然の降雪や冬タイヤ規制に備え、1年中使い続けられる性能を持ち、夏タイヤと冬タイヤを使い分けの必要が無いオールシーズンタイヤをおすすめします。

コストで選ぶ

太平洋側では、年に1回から2回程度しか雪が降らないこともしばしば。それでも雪が降ったらスタッドレスタイヤを買うか真剣に悩んでしまう。 もちろんアイスバーンのような滑りやすい路面の降雪地域や豪雪地域は、冬タイヤを装着した方が安心です。

どちらのケースにも該当しないユーザーは履き替えの手間も無くなるオールシーズンタイヤを選ぶメリットがあります。ただし、オールシーズンタイヤは、夏タイヤと比較するとグリップ力が上がります。

その分、路面との走行抵抗が大きくなるため、燃費は悪化する傾向があります。1セットのオールシーズンタイヤで済ませた方が経済的かどうか、メリットを確認するためにもホイール・タイヤ専門店のプロに相談することをおススメします。

オールシーズンタイヤに関するよくある相談例

◆燃費は悪化する傾向であれば、経済的なメリットはないの?

しかし維持費を考えると…
タイヤ保管サービスなどはタイヤのサイズが大きいと保管料もかさむ可能性があります。維持費と使用頻度とともに検討するとお得になる可能性も!

◆豪雪地域ではなく、通勤・通学・通院などちょっとした距離でしか車は使わない場合は?

突発的な雪に対応ができるので安心かもしれないですね。お子様がいる方などはいきなりの雪でもお車を走らせなければいけない時が、たとえば保育園・幼稚園・習い事の送り迎えなど、どうしようという不安の軽減・心の安心にもつながりますね。

◆セカンドカーに最適なタイヤはどれ?

セカンドカーとしてニーズが高い軽自動車。ちょっとした日常の買い物や用事に利用している。そんな方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?トータルバランスを求めているタイヤがオールシーズンタイヤだと考えると、効率的にカーライフを考える方に向いているのかもしれません。そんな方はオールシーズンタイヤを選択肢に加えてみることをおすすめします。
しかし、万能なタイヤではありません。他のタイヤ同様日ごろの点検が重要です。

保管スペースで選ぶ

少しの雪なら車で出かけたい。でも冬タイヤを購入したいけど保管する場所が困る。タイヤの保管方法も難しいし、タイヤの寿命も延ばしたい。オールシーズンタイヤは、気温が下がってもタイヤのゴムが硬くならないため、多少雪が積もった状況でも走ることが可能です。

ただし、オールシーズンタイヤは一般的なタイヤと比較すると割高です。あまり雪の積もらない地域ならばオールシーズンタイヤで1年中過ごすことが出来ますが、お住まいの地域で選ぶのもポイントです。

積雪路面 路面状態 スタッドレスタイヤ ALLシーズン 夏タイヤ
シャーベット
圧雪
凍結/アイスバーン
通常路面 ドライ
ウェット

スタッドレスタイヤという選択肢

お住まいの地域や用途を考えると、やはりスタッドレスタイヤを使うべきケースもあります。スタッドレスタイヤの解説はこちらの記事でご確認ください。

【2020 – 2021年版】タイヤのスペシャリストがスタッドレスタイヤ11種を解説!ニーズに合わせた選び方と注目商品を紹介 アイキャッチ画像 【2020 – 2021年版】タイヤのスペシャリストがスタッドレスタイヤ11種を解説!ニーズに合わせた選び方と注目商品を紹介

おすすめのオールシーズンタイヤ

おすすめ① Vector 4Seasons Hybrid|ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド(グッドイヤー)

ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド [Vector 4Seasons Hybrid]|オールシーズンタイヤ|日本グッドイヤー キャプチャ画像

出典:
ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド [Vector 4Seasons Hybrid]|オールシーズンタイヤ|日本グッドイヤー
https://www.goodyear.co.jp/products/tires/4seasons/4seasons.html

世界で最初にオールシーズンタイヤを開発したグッドイヤー。
2008年に日本に導入されたベクター フォーシーズンズ ハイブリッドは、乗用車専用タイヤとして発売されオールシーズンタイヤ火付け役となりました。「替えないタイヤに替えよう」のキャッチコピーが浸透し、年々装着率がアップしています。

ドライ路面では剛性感のある走りを実現し、ウエット路面では高い排水性能を発揮します。さらに軽微な雪道も走行できるので、突然の降雪にも慌てる必要がなくなります。季節ごとのさまざまな路面状況に対応し、いつでも安定した性能を発揮できるのがオールシーズンタイヤの最大のメリットです。さまざまな路面を1年中走れるので、アクティブなカーライフを楽しんでいただけます。

おすすめ② Assurance WeatherReady|アシュアランス ウェザーレディ(グッドイヤー)

アシュアランス ウェザーレディ [Assurance WeatherReady]|オールシーズンタイヤ|日本グッドイヤー キャプチャ画像

出典:
アシュアランス ウェザーレディ [Assurance WeatherReady]|オールシーズンタイヤ|日本グッドイヤー
https://www.goodyear.co.jp/products/tires/weatherready/weatherready.html

SUV専用として、SUV大国のアメリカ主導で開発されたオールシーズンタイヤ。
大豆を原料としたオイルをコンパウンドに配合し、低温でも柔軟性を保ち、雪上や氷上でのグリップ力を確保している。突然の雪でも走行を可能にし、静粛性や乗り心地を犠牲にすることなく、雪が降るような低温時でも高いグリップ力を発揮します。
街中での急激な天候の変化においても、SUVらしいタフさを実現する全天候型タイヤです。

グッドイヤーをお勧めする理由。

オールシーズンタイヤを1977年にデビューさせたグッドイヤー。
40年間オールシーズンタイヤのパイオニアとして現在では、日本市場向けを45サイズに拡大。
長距離の大陸移動がスタンダードな欧州で、鍛え抜かれた技術は、南北・東西に長い日本においても路面を選ばない高次元での走りを発揮します。

その他オススメのオールシーズンタイヤ

CROSSCLIMATE SERIES|クロスクライメートシリーズ(ミシュラン)

MICHELIN CROSSCLIMATE SERIES(クロスクライメート シリーズ) | 日本ミシュランタイヤ キャプチャ画像

出典:
MICHELIN CROSSCLIMATE SERIES(クロスクライメート シリーズ) | 日本ミシュランタイヤ
https://www.michelin.co.jp/auto/tyres/michelin-crossclimate-series

「雪も走れる夏タイヤ。天候を問わない走り、買い替え時まで続く安心感。」をキャッチフレーズにミシュランから発売されたオールシーズンタイヤです。
サマータイヤを由来に開発されたため、夏タイヤと遜色ない静粛性とウェット路面、ドライ路面でも高い性能を発揮する。欧州で冬季用タイヤとして走行性能基準が認められたタイヤに打刻されるスリーピーク・マウンテン・スノーフレークの表記があります。夏タイヤとしての性能をそのままに、雪上での走行も可能にしています。雪上走行性能を可能にするマークはありますが、スタッドレスタイヤとは性能上異なります。

ALL SEASON MAXX AS1|オールシーズンマックス エーエスワン (ダンロップ)

オールシーズンタイヤ | ALL SEASON MAXX AS1|【DUNLOP】ダンロップタイヤ 公式 キャプチャ画像

出典:
オールシーズンタイヤ | ALL SEASON MAXX AS1|【DUNLOP】ダンロップタイヤ 公式
https://tyre.dunlop.co.jp/tyre/lineup/allseason/

「3つの基本性能プラス1」とドライ、ウェットから雪道まで様々な路面で確かなグリップ力にロングライフ性能をプラスした、ダンロップから発売されたオールシーズンタイヤです。
急な雪でも慌てない長持ち夏タイヤをキャッチコピーに、夏タイヤの基本性能をもとに、新開発の「超マルチコンパウンド」を採用したことで、雪上でも安全に走る性能を備えている。また夏タイヤに劣らない深溝設計により、高いウェット性能を持ち、しかもロングライフも高めている。氷上はスタッドレスタイヤの領域と割り切り、夏タイヤ並の走行が期待できるのも魅力のひとつ。
ただし、スタッドレスタイヤではありませんので、過酷な積雪・凍結路面では走行はお控えください。

まとめ

安心・快適なドライブのために、オールシーズンタイヤは日頃の点検が重要になります。
タイヤの摩耗の偏りを無くすためにも定期的なローテーションを行い、タイヤの交換サインとなるトレッド溝50%で露出するプラットホームとスリップサインをチェックする事でタイヤの状態を確認することが大切です。

1種類のタイヤでライフ性能が高く、長く使え、性能も長持ち。履き替えの手間やタイヤの保管場所も必ありません。オールシーズンタイヤは総合的にお財布に優しいタイヤといった印象です。

ドライ、ウェット性能にも優れているため、夏タイヤ(サマータイヤ)としても利用できますが、雪道では不測の事態が発生するケースもあります。スタッドレスタイヤと異なり、過酷な積雪路、凍結路では、本来の性能は発揮しません。予期せぬ大量の降雪や凍結時のためにもタイヤチェーンなど必要な道具は一式揃えておくと安心です。ホイール・タイヤ専門店でプロのアドバイスを参考にしながら、自分に合った製品を選ぶことをおススメします。